エナメル質形成不全について

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エナメル質は人間の身体の中で最も硬い組織であり、熱いもの、冷たいもの、酸性のものなどが
敏感な象牙質に触れないように刺激や虫歯から歯を守っているものです。

ですが歯の表面に白いまだらや虫歯ではないのに茶色や黄色に変色していたりしている場合はエナメル質形成不全の疑いがあります。
重度の場合は歯の表面がボコボコしたり象牙質が剥き出しになっている場合もあります。

よくできる部位は第一大臼歯(永久歯で前から6番目、6歳臼歯)や前歯です。
特に奥歯は汚れが溜まりやすいので注意が必要です。

形成障害の原因としては以下のものが挙げられます。
・栄養障害:カルシウム リン ビタミンA C D、特にDの欠乏症の人は形成障害が多く見られます。
・発疹性の疾患や熱性疾患:高熱によってエナメル芽細胞が影響を受けることがあります。
特に生後1年くらいの時の高熱が影響を及ぼす場合があります。
・過度のフッ素摂取:フッ素症と言われるもので、昔は斑状歯と呼ばれていたものです。
どのくらいのフッ素を摂取したらどの様な症状が出るかは一概に分かっていません。
ある程度の濃度のフッ素を長期間に渡って摂取すると生じるといわれています。
・早産:乳歯に現れます。早産による栄養障害、低酸素症、血漿カルシウム低下など様々な要因が考えられています。
・局所的原因:乳歯列期の外傷や物理的な刺激があった時に後続永久歯に影響が見られる場合があります。
また乳歯が大きな虫歯に侵され化膿した場合にも出現する場合があります。
・遺伝:遺伝の確率は非常に低いといわれています。もし遺伝で起こった場合は全ての歯に認められます。
全身疾患などの病気が原因でエナメル質形成不全が起こる場合、左右対称の歯に現れやすいといわれています。

今はおよそ小学生の5人に1人がエナメル質形成不全があるという結果が出ているそうです。
乳歯の場合、元々エナメル質が薄く虫歯になりやすいので、形成不全の乳歯が虫歯になるとあっという間に神経まで進行してしまうためより一層注意が必要です。

そのため
・定期的な歯科検診
・定期的な歯科医院でのフッ素塗布
・フッ素入りの歯磨剤を使用してもらう
・本人や小児の場合には親御さんへ伝え、家庭での管理をしてもらう
ことが大切です。

SHIMADA

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