女性特有の歯周病のリスクについて

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日本では歯科を受診している人数は女性は男性より1.2倍と多いのですが、20本以上の歯が残っている人の割合は、男性よりも少ないそうです。
なぜなのか調べてみました。

ご存じの通り、歯を失う理由で一番多いのは歯周病です。
歯周病はプラーク(指向)中の細菌による感染症です。そしてその発症と進行にはさまざまな原因があります。
喫煙、ストレス、栄養障害、肥満、薬物、社会経済的環境です。さらに歯磨き習慣、定期健診の回数なども考えられます。
さらに、歯石、歯の形態異常、口呼吸、ブラキシズム、年齢、人種、性別、全身疾患などです。そして、女性では、女性ホルモンがあげられます。思春期および妊娠期における女性ホルモンの増加や、更年期での欠乏により歯周病のリスクが高まることが知られています。歯周病の女性においては、普段と見た目の口腔内の汚れの量は変わらなくても、女性ホルモンの増加により、歯周ポケット内の歯周病菌の数や割合が増加することにより歯肉の炎症がひどくなります。
20~30歳代でも歯周病が進行している女性の患者さんの場合、月経周期に関連して歯肉の中の歯周病菌が増殖している可能性があります。

セルフケアとしては、排卵日付近から月経直前までの間は、女性ホルモンが増加し菌が増殖しやすくなるため、歯ブラシとフロスや歯間ブラシを使用したケアが1番重要です。また抗菌、殺菌作用のある歯磨き粉や洗口剤などを併用することにより、さらにプラーク除去効果が高まります。
日本では早産、低体重児出産の割合が増加しています。原因として、年齢、喫煙、飲酒、生殖器感染、痩せすぎなどがあげられています。そして、歯周病も早産、低体重児出産の原因の1つの可能性があると考えられています。

さらに更年期には女性ホルモンの欠乏により炎症物質が増加することで歯肉の炎症が増加し、歯周病が進行しやすくなります

患者さんのセルフケアでは、ラウリル硫酸ナトリウム(発泡剤)含有歯磨剤の使用を中止します。この発泡剤が原因で粘膜および歯肉に炎症を引き起こす可能性があります。

このように女性ホルモンは歯周病は深く関わってきます。妊娠中に親知らずの周りの歯茎が腫れる患者さんをよくみかけます。
妊娠前に親知らずの抜歯はすませておくことをおすすめします!

MIURA

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