初めて当院で受診される方へ

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歯医者は怖い?

こんなにひどくなるまでよく我慢したものだと逆に関心させられるほどの状態で来院する患者がよくいます。
よくよく聞いてみると歯の治療が怖くて仕方がないらしいのです。昔、非常に痛い思いをしたのでしょう。
確かに以前は医療側のペースで治療が進められていたことが多かった様です。

しかし、現在では、恐る恐る来院する患者に対し、受付では優しく対応することを心掛け、
診察台に座って不安を持つ患者の気持ちを考慮し、疾患の現状や今から行う治療内容をわかりやすく、
ていねいに説明がなされています。

治療方法や治療の必要性を納得することにより恐怖感も減少し落ち着いてくる場合が多いようです。
ほとんどの治療は麻酔をすれば無痛で行うことができます。
前もって表面麻酔といってゼリー状の甘い匂いのする薬を塗っておくと注射もほとんど痛みもなく行えます。

痛みもないのに歯を削る振動だけでも恐怖感を感じる人には笑気ガスを用います。
お酒を飲んで酔っぱらった時のようにからだ全体がふわっとした感じになりリラックスし恐怖感を軽減することができます。
歯を削るときのあのキーンという音が苦手な人にはヘッドフォンを装着し
好きな音楽を聴いている間に治療を終えるという方法もあります。

このように患者のペースに合わせて無事その日の治療が終わるとおびえていた人も次第に自信がついていきます。
なれてくると笑気ガスがなかったら治療できなかった人でも笑気ガスなしでもできるようになって行きます。

さあ、歯医者が怖くて歯が痛いのにためらっている人、勇気を出してみては!
思ってるほど怖くないかもしれませんよ。

本当に痛くないのでしょうか?

「歯医者は怖い?」という文章をホームページに掲載してから、
電話やメールで「本当に痛くないのでしょうか?」という問い合わせがよくあります。
(あの文面は以前に地域の情報誌から依頼されて執筆したものからの抜粋です)

そういう時は、「同じような恐がりの方でも、皆さん治療ができるようになっていますから、
きっと大丈夫ですよ・・・」と言うようにしている。
でも、これは本当なんですよ。

さて、歯を削る痛みであるが、虫歯が浅い時は、全く痛みなく治療できる時もありますが、
すこし深くなれば確かに痛みを感じることが多いです。
(人によっては少々の痛みくらいなら、わりと平気で我慢してくれることもありますが)
もし我慢できなければ、きっちりと麻酔さえちゃんとすれば、全く痛みなく治療できます。

しかし、この麻酔というものも、確かにあまり印象のいいものではありません。
でも経験上、結構恐がりの人でも、この麻酔だけはなんとか我慢できる場合がほとんどです。
表面麻酔をぬったり、呼吸の具合を見て注射をする時の力の入れ具合で、割と痛くないものなのですよ。
それと、精神的なものも大きいので、いかにリラックスしてもらうかも大きなポイントです。

でも、過去に麻酔が痛かったという思いをしたために、この麻酔が我慢できない人も確かにいます。
あきらかに精神的な恐怖心が原因です。
こういう時のために笑気ガスという便利なものがあるのです。
これで不思議なことに恐怖心がかなり減少し、リラックスすることができます。
笑気ガスを使っても麻酔ができなかったことは、今まで一度もありません。

さあ、これで麻酔さえ効けば、どんなに深い虫歯でも、たとえ歯を抜こうがもう痛むことはありません。

では、なぜ、それでも歯医者は痛いという人があとをたたないかです。

なぜ、それでも歯医者は痛い?

なぜそれでも歯医者は痛いという人があとを立たないのか ?
麻酔をすれば痛くないはずなのに、何故痛いのか?

では、どのような場合に痛い思いをするのかを考えてみましょう。

  1. 麻酔が効いていないことに気が付いていない。
  2. 麻酔が効いていないのに、強引にやってしまう。
  3. 麻酔は効いているが振動や音で痛く感じる。

きっと、これらの理由で実際に痛い思いをしてきたから歯医者は痛いというイメージがあるのでしょう。

これらのことは、ちょっと油断すると実際におこることです。
麻酔が効いていなければ当然治療は痛いものです。麻酔さえ効けばほとんどのことが解決できます。つまり麻酔がいつもすぐに効くとはかぎらないところが問題なのです。
また、患者さん側も完全に効いていなくても、少しくらいは我慢するものかと思い込み、あきらめてしまうことも多いのです。

麻酔は、歯や歯の回りの骨の状態、或いは回りの歯茎の状態で効き目が異なります。
このことを把握するためには、常にお互いが状況を確認しあう必要があります。
効き目が悪い場合は無理をせず、少し麻酔を追加するか或いは麻酔が効くのを待つ必要があります。つまりコミュニケーションがとれるかどうかにかかってくるのです。
これって簡単なようで結構難しいものなのです。患者さんの気持ちや反応を無言のうちに察知しなければならない場合もあります。

余裕がなければ、つい無理をしてしまいます。
「これくらい我慢してくれるだろう」とついつい油断してしまうのです。
私も、この余裕ができるのに振り返れば10年くらいかかったような気がします。
よく色々な分野の職人が、『この技ができるのに10年かかる』などとよく言いますが、
見ている側は「そんな大袈裟な」と思うものですが、やはり、技とはそういうものなのかなと思います。

ただし、歯の周囲にまで及ぶ、ズキズキした急性炎症がある場合、ケースによってはどうしても麻酔が効きにくい場合があります。
この場合は痛くないところまでで削るのをやめて、あとは薬の助けを借りるようにすれば、治療回数は増えますが解決できることもあります。
このように、どうしようもないことも時にはあるのも事実なので、そのようになる前に早めに治療することが大切です。

3の「麻酔は効いているが振動や音で痛く感じる」については、以前に痛い思いをした時に、同時に振動や音も痛い原因だというトラウマになっているのだと思います。
痛みというものは人によって感じ方が異なるもので、結構痛くても我慢してくれる人もいれば、ほんのちょっとの違和感を痛いと感じる人もいます。
このあたりは精神的な部分が大きいので、痛くない治療はもちろんですが、
さらにリラックスすることを心がけ、痛みに対する抵抗力をつけるお手伝いをするのも大切です。
当医院では視覚的、聴覚的な補助的手段の工夫も行なっています。

ただし、このようなリラックスした無痛治療というのは、時間的な余裕が必要で、痛みがある場合は別として、忙しい時に『今すぐ治療してほしい』とか、『一度にたくさんやってほしい』などと無理を言われてせかされると、やはり難しい時もありますので、そのあたりのご理解はよろしくお願いします。

ちなみに、「歯医者は怖い?」という文章は、以前に地域の情報誌からの依頼で投稿したもので、その情報誌が配られて以来、このような患者さんが増え、おかげでこちらとしても多くの恐がりの人のパターンをつかむことができ、さらに勉強になり参考になっています。

それよりももっと大切なこと

では最後に、歯医者で痛い治療をほとんど受けなくてもよくなる方法をお教えしましょう。

さて、これまで歯医者は歯を削るから痛い。歯を抜くから痛い。歯石を取るのが痛い・・・・と、
歯医者は治療をしてもらうところだという前提でお話してきました。

では改めて質問です。

あなたはどんな時に歯科医院に行こうと思いますか?

毎日、きちんと歯ブラシしていたら歯は悪くならないし、
もしも悪くなったら治療をすればもとに戻るから大丈夫。
それに、年を取ったら、歯は悪くなるのはしかたがないし、
だから歯医者は痛くなったら行くところだ。

日本では、このようにおっしゃる方がたくさんいますが、 さてこれは正しいでしょうか?
ではちょっと考えて見ましょう。

歯が悪くなってから来ていただいても、治療することしかできません。治療するということは歯を削るということです。
それに歯槽膿漏は発見が遅れると歯を抜くしか方法がなくなります。

それと100%完全に歯を磨くってとても難しいことなのです。
だから毎日きちんと歯を磨いても安心できないのです。

歯は削ったら、二度と元に戻らないってご存知ですか?

体は骨が折れても、ギブスをしておけば骨が再生して元のように治ります。
指を切っても、再びつながり元の状態に戻ります。

しかし歯は自然に再生しないため他の体の組織と異なり、悪くなったら、悪い部分を削り落として、人工の物で補うしかないのです。
ですから、悪くなってしまった歯を元にもどすのではなく、つぎはぎをしているわけです。
つぎはぎなので当然元の状態よりも弱くなってしまいますし、接合部には目には見えないほどですがわずかにデコボコができます。
そこに細菌がたまりやすくなり、健康な歯よりも再び虫歯や歯槽膿漏になりやすくなります。
つぎはぎはやむ終えないとしても、できるだけ少ないことが理想です。そのためにも歯を削る量をできるだけ少なくてすむように早めに発見することが必要なのです。

年を取ったら、歯は悪くなるのはしかたがないのでは?

今の日本の現状では実際にその通りです。現在、80歳になると28本のうち平均5~6本しか残っていません。
しかし、スウェーデンでは80歳で平均25本近くの歯が残っています。
なぜ、こんなに大きな差がついてしまったのでしょうか?

それは、日本では虫歯が氾濫していた昭和30年代から40年代の時期に病気を積極的に治す為に歯科医師の数を増やす政策を行い、昭和40年ごろから歯科大学を次々に新設し、結果として病気を防ぐことよりも、とにかく治療を行うことに全精力が注がれることになりました。
歯医者自身も削ってつめる治療を大学で教えられ、それがあたりまえだと思い、どうしたら悪くならないように予防できるかということをあまり考えて来なかったのです。
そのためせっかく治した歯もすぐに周囲に細菌がたまり数年すれば再び悪くなるとともに、歯周病も止めることができなかったのです。

一方北欧では治療だけではなく病気になる原因を重視しました。
その結果、国の政策で予防教育と予防医療に多くの国家予算が使われ、国民自身も予防に関心を持ち、治療から予防の方向に転換していったのです。
おかげで、歯の回りはいつも清潔で、虫歯にも歯周病にもなりにくい状態を保つことができたわけです。

水道水に含まれるフッ素のことも確かに影響あるのですが、やはり予防を軽視したことがスウェーデンなどの北欧諸国との間に大きな差がついてしまった最大の原因だったのです。
つまり日本でも、北欧と同じような予防を行うことにより、十分、歯を残せるはずなのです。

俳優の水嶋ヒロさんも、スイスからの帰国子女で、毎日15分は歯を磨いているみたいですよ。

歯が抜ける原因は

歯が抜ける原因は、46歳〜55歳の方では約半分が歯周病なのです。

歯を支えている歯槽骨が歯の汚れが原因で溶けてしまう病気が歯周病なのです。歯周病が進むと、歯は支えを失って抜けてしまうのです。
この溶けてしまった歯槽骨はなかなかは元には戻りません。

ということは、歯周病は進行を食い止めることはできるのですが、治すことはとても難しいのです。

歯周病は痛みが無く進行してしまうことが多いのです

虫歯になれば痛くなるので、本人は自覚できます。
しかし、25歳以上の8割の人は歯周病に罹患しているのに、初めのうちは歯周病は痛みが無く進行するので、本人には自覚がありません。
そこが歯周病の怖いところなのです。

自覚症状が無い歯周病を予防していくためにも、3ヶ月に1度の定期的なメインテナンスが欠かせないのです。
症状が重い人は安定するまで1ヶ月に1回のメインテナンスが必要こともあります。

歯ブラシを一生懸命していただいても、落とせない汚れがあるのです

歯と歯の境目、歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケット)についたバイオフィルムは歯ブラシで取り除くことは困難になります。
(バイオフィルムとは台所のヌメヌメのようなものであり、細菌同士が固まって保護膜を作ります)
バイオフィルムは、虫歯と歯周病の原因になるので、これを機械的に歯科医院で取り除くことが重要になるのです。→ (PMTC)

また、このバイオフィルムは1度、破壊しても、また3ヶ月程度で形成されるというデータが出ているので、1〜3ヶ月に1度の定期的なメインテナンスが大切になるのわけです。


右のグラフは、歯磨き指導を受けただけでは、痛い時だけ歯医者に行く人と同じように80歳になったら残っている歯の数が減っていることがわかると思います。(5本多いだけですね)
つまり毎日指導を受けたとおりに歯を磨いていれば悪くならないと安心していてはいけないということなのです。
定期的に歯科医院でメインテナンスを受けた人だけがいつまでも自分の歯を使い続けることができるというデーターが出ているのです。

長崎大学 新庄教授のデータより

スウェーデンの予防とは?

以上のように、自覚症状が無い歯周病を発見するために、歯ブラシで取り除くことが困難なバイオフィルムを取り除くために虫歯にならないために。
やむおえず虫歯になってしまったとしても、歯を削る量をできるだけ少なくして痛みを最小限にするために。

1〜3ヶ月に1回、定期的に歯科医院でメインテナンスを受けることなのです。
定期的なメインテナンスを受けることで歯周病だけではなく、ごく早期の虫歯も発見することもできるのです。
北欧では、治療ではなく、このメインテナンスに力を入れたことによって、国民の平均残存歯数が飛躍的に向上したのです。

このように林歯科医院では、痛くなってから治療を行う対症療法よりも、痛くなる前に、悪くなる前に予防しておくために、定期的なメインテナンスを行う予防中心の歯科医院を目指していきたいと考えております。
私たちは、できるだけ歯のつぎはぎしたくないのです。
理容・美容へは定期的に行かれると思いますが、健康に生きていくために。

歯科医院でプロの歯科衛生士による歯垢、歯石の除去、PMTCを定期的に受けることをお勧めします。

わかりましたでしょうか?
痛くない究極の方法は、スウェーデンの予防を取り入れることだったのです。

→ 予防歯科もご覧下さい。

あと、口腔疾患に関わることでメインテナンスと同じくらい大切なことに食生活や生活習慣による自己免疫力があります。運動や姿勢なども含めて、これらのことについては後日報告していきたいと思います。