加熱式タバコがお口の環境へ与える影響

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歯周病治療中の方が「アイコスに変えたんです」とおっしゃられる方が増えてきています。

アイコスは紙巻きタバコよりは健康に良いとされ、有害物質90%カットと言われると、病気のリスクが減ると安心してしまいます。
果たして、それで安心していいのか。
そこでアイコスなど加熱式タバコがお口の環境へ与える影響を説明したいと思います。

まず、喫煙は、歯周病の最大の危険因子と言われ、喫煙者と非喫煙者を比べると、喫煙者の方が歯周病になる確立が約3倍も高いそうです。
特に問題は、歯茎に何かしらの症状が出るまでに、気付くことなく、重症化してしまうということです。

タバコの煙には4000種類の化学物質が含まれ、そのうち200種類以上は有害物質、発ガン性物質は70種類にもなると言われています。特にその中には『ニコチン』『タール』『一酸化炭素』という3大有害物質が含まれています。

ニコチン ・血管収縮 ・強い依存性
タール ・強力な発ガン性 ・歯や歯肉の着色 ・唾液の分泌を減少させる
一酸化炭素 ・酸素を運ぶ能力を妨害し、血流を悪くさせる ・細菌に対しての抵抗力の低下

 つまり、タールは歯茎に汚れを付けて、ニコチンと一酸化炭素は歯茎に栄養を行き渡らせない、という歯周病への最強タッグとなっているので、紙巻きタバコの喫煙は歯周病を悪化させる要因となります。
では、アイコスの場合はどうなのでしょうか?

アイコスに切り替える≒タールがなくなる

一般的には『タール』『一酸化炭素』は葉を燃やす事により発生すると言われていますが、加熱式タバコは独自の機械でタバコ葉を熱しエアロゾル(霧状の粒子)を発生させ、その中に含まれるニコチンを吸うための製品です。「葉を燃やす」ことによって生じる「煙」に含まれる『タール』『一酸化炭素』が発生しないという見解です。

ネット上でのアイコスユーザーから、このような気になる評価がありました。

「アイコスに変えてから歯茎が腫れた」
「アイコスを吸ってから口の中に違和感を感じる」
「アイコスで歯周病になってしまった」etc

実はこの現象は、加熱式タバコにタールが含まれない事にあります。
タールは有害物質なのは間違いないのですが、実は「炎症を抑える作用」や「抗ウイルス作用」という、成分が入っています。
紙巻きタバコから摂取するタールは基本悪影響ですが、要領を守って利用すれば、風邪やインフルエンザの予防や治療をしてくれる効果もあるそうです。

つまり紙巻きタバコは、タールの効果で歯周病の腫れなどの症状を押さえ込んでいたのです。

この現象が起こった人たちの共通点は、もともと紙巻きタバコ利用者、「元から喫煙者だった」ということであり、歯周病持ちだったという可能性が非常に高いです。アイコスに変えてから歯茎が腫れたのは、今まで抑え込んできた元々の歯周病の症状が、アイコスに変えたこともしくは禁煙した事によって表面化したということです。
実はこの症状、喫煙者が禁煙に成功した時にも、よく起きる現象だといわれています。

しかし結論を言うと、

ベストは、喫煙をやめること

 歯周病の治療や予防、口内環境を改善するために一番良いことは喫煙自体をやめることです。
次世代タバコも、「有害物質が少ない」からといっても、「健康に良い」わけではありません。

TOCHIKA

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