TCH ってなに? Tooth Contacting Habit 歯の接触癖のことです

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TCHについて

●TCH ってなに?

Tooth Contacting Habit 歯の接触癖のことです。

●TCH の歯や口腔周囲への影響

その1★顎関節症

上下の歯を接触させてしまうことで、咬筋などの筋肉は持続的な緊張状態によって疲労し、顎関節にも長時間負担がかかります。

その2★知覚過敏

強い力が持続的に歯にかかると、力の集中する歯の根元のエナメル質がはがれ落ち、象牙質がむき出しになり、知覚過敏がおきます。

その3★歯周病

上下の歯がお互いに負荷を掛け合う関係なので、歯周組織に影響しま す。歯肉や歯槽骨への負荷が大きくなることで、歯周病が悪化する原 因になります。
しかし

TCH は寝ている間のクレンチング(かみしめ)に比べ、非常に弱い力しか歯周組織にかかりません。
『ただちょっと触れてるだけの弱い力が歯周病にまで影響するの?」と、思われるかもしれません。

ですが、本来は食事や会話の時しか上下の歯は接触しません!
1 日の中での上下の歯の接触時間は 20 分以内!

食事の時、20 分以上かけて食べることが多いかと思いますが、上下の歯の間 には食べ物が介在しているので歯と歯が触れ合う時間はごくわずかとのこと。
TCH のような長時間持続的に負担がかかった状態となると、歯周組織は疲労してしまうのです。

●歯周病の病因としてのブラキシズム

●TCH のサインを見逃すな!!

顎関節の異常や頭痛、顔面や頚部の筋肉痛など… 口腔内の所見は、知覚過敏、咬耗および修復・補綴物の脱離など

★口腔内診査の時にチェックするところ

頬粘膜や舌の圧痕 それに加え、舌のポジションも必ず確認すること!
低位舌であればTCHを疑います。

●TCH の改善方法

ステップ1

・歯を接触させる行動は,筋肉を使っていることを認識させる.
・咬筋と側頭筋に触れさせ,咬む,離すを繰り返し行わせ,その時に筋が収縮してい ることを指で確認させる.
・1 日の歯の接触時間は約 20 分で,ほとんどの場合は離れていることを認識させる.

ステップ2 意識化訓練

歯を接触させていることを気づかせる!
付箋を自分の目につきやすいところに最低10枚貼ること。
運転や料理を長い間する人はタイマーのアラームやケータイのバイブなども効果的だといわれています。
これで気づく機会が 27%から 39%,57%,67%と漸増したという報告あり!

ステップ3 競合反応訓練

歯を接触させていない状態を体感してもらいます。
1 肩を大きく上げ、大きく鼻から空気を吸い込みます
2 そして一気に口から息を吐きながら肩を落とし、一気に脱力をします。これを繰り返し行い、体と脳に叩き込む!!!

しかし、TCH があっても問題が出ないケースも多くあります。
問題が出なければ TCH はただの「癖」なので、特に気にする必要はありません。
ただ、歯周病や顎関節、肩こりなどに TCH が影響している可能性がある場合もあるので、そういった症状に悩まされている時は歯を削ったりマウスピースを装着したりする前に、TCH の改善に取り組む価値はあるかと思います。

参考文献:デンタルハイジーン2月号
TCH マネジメントとリハビリトレーニングで治す顎関節症

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Kajimoto

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