睡眠時ブラキシズムは人口のおよそ5~10%に認められています

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ブラキシズムについて

【ブラキシズム=歯ぎしり】ととらえがちですが、気をつけなければならないことがあります。

たしかに睡眠中に「ギシギシ」「キリキリ」といった音を伴って歯をこすり合わせる癖は一般に歯ぎしりとよばれ、ブラキシズムを代表するものです。

しかし、ブラキシズムには音のしない≪クレンチング(食いしばり)≫も含まれます。

さらには起きている時に行われるクレンチングや歯を接触させる癖、いわゆるTCH(tooth contacting habit)などもあります。

このように、ブラキシズムにはさまざまなタイプがありますが、いずれも食べる、飲み込む、会話といった機能時以外に≪歯を合わせる≫癖であることには変わりありません。

そのため、非機能的運動ともよばれ、これらが強い力で行われたり、弱い力でも長時間にわたり継続すると、顎関節症や、歯がすり減ったり歯の根っこが破折したり、歯周病の悪化などさまざまな障害が引き起こされます。

定期的なメインテナンスをしてお口の中がキレイな状態でも、ブラキシズムに対する適切な対応がとられていないと、それだけで歯科治療後にトラブルが起きたり、口腔健康を損なう原因となります。

高い金額をかけて入れた白い被せ物の破折や歯根破折など、致命的な結果となることもあります。

ブラキシズムは睡眠中に行われる睡眠時ブラキシズムと、起きている時に行われる覚醒時ブラキシズムに分けられますが、覚醒時ブラキシズムは覚醒時の癖のため行動を変えることなどで対応可能です。

例えば付箋に「かみしめない」と書いて、家のあらゆる所に貼ります。それを見ると噛み締めるのをやめるようにしていけば、噛み締めている時間は減っていくはずです。

一方で、睡眠時ブラキシズムは睡眠中の癖のため、診断も対応も簡単ではありません。

日本人を対象としたアンケート調査によると、睡眠時ブラキシズムは人口のおよそ5~10%に認められています。

発生率は小児で10~20%、成人で5~8%、高齢者で2~3%と加齢とともに減少し、
大きな性差はないと報告されています。

ストレス、性格、遺伝、セロトニン再取り込み阻害薬の服薬、飲酒、喫煙、カフェイン、睡眠呼吸障害など、さまざま事が原因になると考えられています。

さらに逆流性食道炎とも関連があるともいわれています。

逆流性食道炎とは近年増加している消化器疾患で、胃酸が逆流して食道の炎症を起こし、胸焼けや胃酸で口が酸っぱい感じになるといった不快な症状を呈する病気です。

胃酸によって酸性になった口腔内を中和しようとして、唾液腺を刺激して唾液の分泌を活発化するために、無意識に歯ぎしりするということがわかってきました。

睡眠時ブラキシズムの治療としてはナイトガードを用いたスプリント療法が広く普及しています。

スプリント療法には短期的なブラキシズム抑制作用はありますが、長期的にはそういった抑制作用が失われることが明らかにされています。

しかしスプリント療法により比較的安価かつ安全にブラキシズムの力から歯や歯周組織、銀歯などの被せ物を守ることができるため、現状ではブラキシズム管理の標準的な治療法とされています。

林歯科医院ではブラキシズムから歯を守るためのナイトガード治療を保険診療で行っております。家族から歯ぎしりを指摘されて悩まれてる方は是非相談して下さい!

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       Miura

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