子供の歯周炎についてご存知ですか?

小児期に原因不明の重度の歯周炎を発症することがごく稀にあります。
乳歯と永久歯のそれぞれに認められ
短時間のうちに 歯槽骨吸収 や 歯の動揺 を生じます。

1、慢性歯周炎
全身疾患と関連していることがある

A、遺伝性のもの
家族性周期性好中球減少症、ダウン症候群、組織球
症症候群、白血球接着能不全症候群
パピヨン?ルーフェーブル症候群 など

B、.免疫系のもの
白血病や糖尿病 など

これらの全身疾患を有する子どもは病原性の高い歯周病菌が存在しなくても歯周組織の抵抗性が極端に弱いため歯周炎を発症します。
歯周組織に対する治療で歯槽骨の吸収を抑えることは困難です。 それでも歯科医院でスケーリングや抗菌薬の局所投与を行い歯周病の悪化を遅らせることが必要です。

2、低ホスファターゼ症
低ホスファターゼ症は、遺伝子の変異により血中のアルカリホスタファーゼ活性が低下して 骨の形成不全 が生じる疾患です。

歯科的特徴

→ 乳歯の早期脱落
1歳から4歳にかけておもに乳前歯の早期脱落が起こります。
セメント質の形成不全により乳歯と歯槽骨との結合が不十分であることが原因です。

乳歯が早期脱落した小児への対応

印象採得が可能になるころから、咀嚼、発音、審美性の改善のために小児義歯を装着します。

低ホスファターゼ症は早期発見が重要です。

歯だけにしか症状が出ない症例もありますが、歯科領域から小児科領域に早期に紹介することができたおかげで全身に生じていた骨の異常を早期発見できた例もあります。

子供や保護者による口腔清掃だけで歯周組織の汚れを綺麗に取り除くのは困難なため、子供の歯周疾患の予防には歯医者での管理が必要です。

KIKUCHI

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