フッ化物配合歯磨剤の種類はさまざま!

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今回はフッ化物配合歯磨剤の種類や、効果的な使い方についてお話ししたいと思います。
 
○フッ化物とは
 
フッ素を含む化合物のことです。歯に使用することにより
・再石灰化の促進
・細菌の耐酸性抑制
・歯質の強化
 などの効果が挙げられます。
フッ素はさまざまな食品に含まれています。
しかし飲食物に含まれるフッ素の濃度はとても低いので、虫歯予防にはフッ化物配合歯磨剤を使用することが望ましいです。
 
○日本で市販されているフッ化物配合の歯磨剤
 
 ①モノフルオロリン酸ナトリウム
 市販の歯磨剤によく使用されています。エナメル質内部に浸透し、耐酸性効果を発揮します。
 他のフッ化物配合歯磨剤に比べ毒性は低いといわれています。
 ex)クリアクリーンなど
 
 ②フッ化ナトリウム
 エナメル質表層に耐酸性効果があります。歯垢の中のフッ化物濃度を高める作用が高いと言われています
 ex)コンクールジェルコートF、チェックアップスタンダード
 
 ③フッ化第一スズ
 他の歯磨剤に比べて高い虫歯予防効果があります。
 しかし、金属(スズ)アレルギーのある人はアレルギー症状が起こることがあります。
 口の中の汚れとスズイオンが反応して、歯に茶色い着色が付く場合があります。
 ex)ホームジェル
 
 ○化粧品歯磨剤と医薬部外品の歯磨剤について
 
 フッ化物などの薬用成分が配合されているものは医薬部外品です。
 化粧品基本成分だけで構成されており、薬用成分が含まれていないものの事をいいます。
 商品の裏の成分表を見たら書いてあります。
 
 ○フッ化物イオン濃度と虫歯予防効果
 
 日本で販売されているフッ化物配合歯磨剤のフッ素濃度は大体500?1500ppmです。
 1000ppm以上のフッ化物イオン濃度では500ppm高くなるごとに6パーセントの虫歯予防効果があるそうです!
 また、500ppm未満のフッ化物配合歯磨剤では、虫歯予防の有効性があきらかになっていないそうです…
 
 ○フッ化物配合歯磨剤の効果的な使い方
 
 ①歯ブラシに、各年齢に適した量の歯磨剤をつけます。
 【年齢に応じた歯磨剤の量】
 6ヶ月から2歳→3ミリ程度
 3~5歳→5ミリ以下
 6~14歳→1センチ程度
 15歳以上→2センチ程度
 ②磨く前に歯磨剤を歯面全体に広げる
 ③2、3分歯磨剤による泡立ちを保つような磨き方をする
 ④歯磨剤を吐き出す
 ⑤5秒間ぶくぶくうがい
 ⑥うがいは一回だけ。吐き出した後再びうがいはしないこと
 ⑦その後1?2時間は飲食しないこと
 
 フッ化物配合歯磨剤を用いたブラッシング回数1日に2、3回が望ましいです。
 
 ○ダブルブラッシング ※最初にしっかりうがいをしたい人にオススメ
 
 1回目は汚れの除去をしっかり行い、2回目はフッ化物応用を目的とした歯磨き方法が有効です。
 2回目に使用する歯磨剤は、研磨剤、発泡剤といった基本成分は使用せず、配合フッ素が口の中に広がりやすいものがよいとされています。
 フォーム状、又はジェル状が適しています。
 2回目の歯磨き後のうがいは一回とし、歯磨剤の量は少量にしましょう。
 
 ○虫歯リスクに応じたフッ化物配合歯磨剤の応用
 
 3種類のフッ化物を虫歯リスクの程度のよって使い分ければ予防効果はさらにアップします!
 
 ①    虫歯になりやすい人→『フッ化第一スズ』配合の歯磨剤応用とクロルヘキシジンなどの抗菌剤の併用が効果あり!
    虫歯になりやすい人とは・・・虫歯菌が多い、唾液分泌速度や緩衝能の低下がある、治療した歯がある、矯正装置をつけている、など
 
 ②    6歳未満の虫歯になりやすい人→1000ppmのモノフルオロリン酸ナトリウム歯磨剤の日常使用を!
    フッ素イオン濃度が1000ppmを超える歯磨剤の使用は6歳未満の小児は適さないとされていますが、フッ化ナトリウムやフッ化第一スズに比べ毒性が低いので低年齢児でも安心して使用できます。
  
 ③    唾液の分泌速度や緩衝能に低下が見られる高齢者→高濃度フッ化ナトリウム(1000?1500ppm)
    フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸ナトリウムは1000ppmを超える歯磨剤は販売されていません。
 
 参考文献→デンタルハイジーン
 

 

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Kajimoto 

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