■ 私が歯医者を目指した頃のお話

プライベートのこと

「あんたは器用そうやから歯医者がむいてるわ 」1995年記

私は学生の頃、将来何になりたいかという思いは別にありませんでした。
自分に何ができるのかもわからず、まあ父親がサラリーマンだったので、
僕もそんなかんじでいいのかなあと思っていたくらいです。
とにかく勉強だけしておけば何とでもなるだろうと思っていました。
ただ、小さい頃から木を切ったり、金槌で釘を打ったりしてパチンコ台を作ったり
そこらにあるもので色々と何かを作るのは好きでした。

 



その頃、母親の洋裁の女性の先生が時々我が家で洋裁教室を開いていました。
その先生が私が色々と何かを作るのをよく見ていたのでした。
そしてある日、『あんたは機用そうやから歯医者がむいてるは』と私に言ってきたのです。
どうも、彼女の知り合いに歯医者の先生がいて、私と雰囲気も似ていて重なったらしいのです。
私としては、「へ~ェ歯医者ねえ・・・それもいいのかなあ・・。」というくらいでした。
ただ自分としては、歯医者などは完全に別世界のもので、自分が歯医者になるというのは
想像もつかないことでした。

 



その後、その洋裁の先生が毎月我が家にくるたびに、
『歯医者になりなり。あんたは歯医者がむいてる』と毎回毎回言うのです。
人間とは不思議なもので、今までに考えたこともないことでも
こんなことを2年間も言いつづけられると、いつの間にか自然に意識が変わっていくもので、
高校2年の頃には、「僕は歯医者になるんだ。そうだ僕には歯医者がピッタリだ!」
という自発的な思いに完全になっていて、歯医者になること以外は考えられなくなってしまいました。
人間とはおかしなもので、これこそ洗脳と言ってもいいのでしょうか??

 



しかしもともと理数系の頭だったので、考えてみると歯医者というのはわりとぴったりで、
何も目標のなかった私にひつこくアドバイスしてくれた洋裁の先生との出会いは
とても重大なできごとだったのです。

 



そして彼女の知り合いの歯医者の先生というのが、私が歯科大卒業後に就職した、京都インプラント
研究所の山上先生だったのです。

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