睡眠時無呼吸症候群による睡眠障害には、ナイトデンチャーも効果があります

健康についてのお話, 歯科診療について

 
 
 
噛み合わせ治療は、いろいろな理論があり、とても難しい分野です。

昨年、大阪大学歯学部の知り合いの先生から、
『ナイトデンチャーがすごい!知っておくと必ず役に立つから』とJSC理論を薦められ、
私は、昨年の11月から、ほぼ毎月、新大阪でのJSC理論のセミナーを受けて
います。

JSC理論によると、昼の噛み合わせよりも睡眠時の無意識下での噛み合わの方
が、歯や全身に大きな影響を与えるということです。

まず、睡眠時無呼吸症候群による睡眠障害には、ナイトデンチャーがとても効果的とのこと。

というわけで、実際に、自分でナイトデンチャーを作って、使用したところ
スリープスプリントに較べて、はめていてとても楽なのです。

nightd.jpg

 (上の写真は、現在私が使用しているナイトデンチャーです)

スリープスプリントは、一定の場所で下あごが固定されて、多少動くように調整
しても、動きが限られ、はめていてしんどくなります。(私の体験ですので当然個人差はあります)

それに対してナイトデンチャーは、前後に自由に動かせるので、とても楽なのです。

そもそも、気道を広げるためにスリープスプリントを装着するのですが、
スリープスプリントでは、いつも気道が広がったままになります。

ところが、人間は、寝ている時にずっとむりやりに気道を広げる必要はなく
自然に開いている時の方が長い人もいます。

つまり、正常な噛みあわせの人は、気道が狭くなったら、自然に顎を前へ動かし、
自然に気道を広げているのです。

逆に、正常でない噛みあわせの人は、気道が狭くなった時に、自然に顎を前へ動
かそうと思っても、うまく前へ移動せず、ある特定の歯や骨に強く力がかかり、
色々な障害が出るのです。

ナイトデンチャーは、前後に自由に動かせない人に、その時だけ機能するように
なっているので、顎が常に楽な状態に保てるのです。

このことは、スリープスプリントを入れている方ならきっと理解しやすいと思い
ます。

なお、ナイトデンチャーは、睡眠時無呼吸症候群による睡眠障害が改善されるの
で、呼吸が深くなり、酸素が全身に行き渡り、脳や全身にも好影響があり、不定愁訴
の改善につながります。もちろん、いびき・歯ぎしりも大幅に減少します。

また、口呼吸から鼻呼吸へ変わるので、唾液が増え口臭が減り、虫歯や歯周病に
もなりにくくなります。

さらに、美容的にも、顎や顔のズレの改善ができ、体のゆがみの改善につながり
ます。

ただし、個人差があるので、ナイトデンチャーより、スリープスプリントの方が効果が出る場合も
あるようですので、まずは保険適応のスリープスプリントを、お試しください。

ナイトデンチャー』の詳しい内容は、
インターナショナルストマトロジー協会のサイトをご覧ください。

http://www.kamiawaseonly.jp/index.html

 

下の写真は、顎が疲れる従来のスリープスプリントです。

splint.jpg

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今年(H27)に入って、重度の睡眠時無呼吸症候群の患者さんに対しては、マウスピースでは不可能だという報告もでてきました。
その場合は、オトガイ舌筋の上3層を切断することが必要で、とても高度なテクニックになってきます。

このことが事実であれば、すべてのケースでナイトデンチャーが効果的と言い切れず、試してみないとわからないと言うことになってきます。

 今後のさらなる研究が求められます。

 

 

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